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ものべの -happy end-

ものべの -happy end-

Lose / 2013R18

「ここがものべの!? なーんにも無いねぇ」 高知の山深い寒村、茂伸村へと六年ぶりに帰省した主人公、沢井透と、 ふるさとのことをすっかり忘れてしまったらしい妹 夏葉。 都会はおろか、他の人里からさえ隔絶された古びた空気の中、 家守妖怪【あかしゃぐま】のすみ、幼馴染のありす、傘妖の飛車角――

懐かしい面々との再会は、錆ついていた記憶の時計を動かし始める。 大掃除、山遊び、水普請、畑仕事、牛鬼の来訪…… 少しも変わらぬ茂伸の暮らしを重ねるうちに、 やがて、村に伝わる土着信仰、【ひめみや流】の夏祭りの夜が訪れる。

夜行市ににぎわう境内に響く触太鼓は、 祭りのクライマックス【面舞い】の始まりを告げるもの。 ちぐらとヒトカタとに守られた舞台に浮かび上がるは、 七面頬なる大妖と人間たちとが織りなす歴史。

その舞の最中、夏葉は突然倒れてしまう。 「おにいちゃん……夏葉……体がヘンだよう」 一晩にして十センチ以上伸びた身長、体型の変化、下腹部からの初めての出血。 夏葉の体を襲ったものは、まぎれも無い異常成長だった。 (このまま、異常成長が続いてしまえば……夏葉の命は!) 果たして原因は病か祟りか―― 焦燥の中、すみとありすとの力を借りて、透は、夏葉を救うための手掛かりを探し始める。

© Lose / EOCS : 30942F