MOONSTONE / 2004R18
俺が殺した少女は、誰だったんだろう──
主人公国見恭介は、遠い昔から一つの映像を心に抱き続けてきた。 強固な罪の意識。 なのに記憶は、夕日の降りかかる町のようにぼやけている……。
*
そして、もう一つの遠い罪。 「ふふっ……お兄ちゃん……」 誰かが少女の手首をきつく掴み、汗に濡れた肌、荒い呼吸、重ねられた肌の色。 恭介には、絵麻という妹が居た。 妹の存在が、恭介を今夜も罪へと導いていく。
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恭介の住む森園町において、とある噂が、まことしやかに流れていた。 “マージ”という名の薬、それが町に出回り、その薬はタイムトリップを可能にするという。 “マージ”によって、浮かび上がってくる過去。 それはやがて、恭介を、彼を取り巻く少女達が抱える心の深みへと導いていく……。