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赤線街路 ~昭和33年の初雪~

赤線街路 ~昭和33年の初雪~

C-side / 2007R18

終戦から10年を経た昭和33年の冬。日本には特別に売春を許された地区が幾つも存在していた。 その特別地域は警察の地図に赤い線で記されていた事から、「赤線」と呼ばれ、人々の欲望と侮蔑を一手に引き受けていた。

主人公はそんな赤線のうち一つである玉柳に足を踏み入れた少年、如月真之。

国会での売春防止法制定を受け、赤線街はあと数カ月で失われる。 手がかりを失う前にと玉柳を訪れるが、母の手 がかりは無く途方に暮れる。 疲れ果て倒れる真之。 そんな彼を介抱してくれたのは、不思議な落ち着きをもった空崎静枝だった。 彼女は玉柳の赤線宿「薫屋」の娼婦。静枝はこの街で母 が見つかるまで真之を保護してくれる事となった。

そして、真之は母と再会する時、何を思うのか? 彼の手は、いったい何を、誰を守るのか? 赤線の灯が消える、昭和33年の春―― 運命の日は静かに迫っていた――

© C-side / EOCS : 0002354F